
- ノートパソコンを送ったら、破損していたと言われたことがある
- ACアダプターを同梱するときに、どうしたらいいのか分からない
- 箱の中でパソコンが動いてしまいそうで、毎回気を使っている
そんな経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
とくに最近のノートパソコンは薄くて軽く、構造も繊細です。
少しの衝撃や圧力でも、液晶やヒンジ部分が破損してしまうことがあります。
私自身、中古ノートパソコンの発送を何度も繰り返す中で、「専用BOXを使っても不安が残るケース」や「市販の資材だけでは守りきれない構造」があると感じるようになりました。
この記事では、
- 初心者でも失敗しにくい既製の専用BOXを使った梱包方法
- 実際の発送経験からたどり着いた、オリジナル構造の梱包方法
この2つを軸に、ノートパソコンを安全に発送するための考え方と具体的な手順を解説します。
実際に使って安心だった「ヤマト運輸のパソコン宅急便BOX」や、
コスパを重視したい方向けの「ダンボールワンのノートPC専用梱包BOX」もあわせて紹介しますので、
ご自身の状況に合った方法を選ぶ参考にしてください。
ノートパソコンの発送は「梱包の質」がすべて
ノートパソコンを安全に送るためには、梱包が何よりも重要です。
とくにノートパソコンの梱包で見落とされがちなのが、上下方向の固定です。
左右や前後はしっかり保護されていても、上下に隙間があると、本体が「跳ねる」「沈む」といった動きを起こし、液晶画面の破損原因になります。
そこで意識したいのが以下の3点です。
- 本体が動かないようにする
- 衝撃を吸収する
- 圧力が一点に集中しないよう分散する
この3つを意識するだけでも、破損リスクは大きく下げられます。
梱包方法に正解はひとつではなく、発送頻度や箱の入手しやすさに応じて、適した構造を選ぶことが重要です。
梱包資材はどうする? 個人出品者にちょうどいい選び方
業務用のダンボールや緩衝材は量が多すぎて扱いづらく、個人での出品には向かないと感じました。
少量でも使いやすく、初心者でも失敗しにくい梱包資材を選ぶのがポイントです。
とくにおすすめなのが、以下の2つの専用BOXです。
- パソコン宅急便BOX(ヤマト運輸)
- ノートPC専用梱包BOX(ダンボールワン)
どちらも本体を固定するフィルム付きで、パソコンが中で動かないように設計されています。
パソコン宅急便BOXは1枚から購入でき、初心者でも迷わず使える安心感が魅力です。
ダンボールワンのBOXは10セット以上で大幅に割安になるため、複数台を発送予定の方に向いています。
なお、どちらのBOXにもプチプチなどの緩衝材は含まれていません。
必要に応じて、以下のような緩衝材を100円ショップで別途購入しておくと安心です。

パソコン宅急便BOXが初心者に最適な理由
パソコン宅急便BOXは、ヤマト運輸が提供している精密機器向けの専用梱包資材です。
13〜16インチのノートPCなら「パソコン宅急便BOX A」が対応しています。
もともとは、ヤマト運輸の「パソコン宅急便」という梱包から発送まで代行してくれるサービス内で使用されている資材ですが、このBOXだけを個人が単体で購入することも可能です。
梱包だけ自分で行い、発送はメルカリ便などを使いたい人にも便利な選択肢です。
主なメリット
- 梱包資材がセット:外箱・内箱・本体固定用のフィルムがセットになっており、ノートパソコンをしっかりと固定できる
- 宅急便100サイズに収まる:料金計算もしやすく、持ち込み・発送がスムーズ
- 初心者でも迷わず使える:設計がシンプルで、説明書がなくても直感的に使える
価格は1セットあたり800円とやや高めですが、1台だけ送るならコスパは悪くありません。
何より「迷わず安全に梱包できる安心感」が大きなメリットです。
購入はヤマト営業所または公式オンラインショップで可能です。
ただし、地域や時期によっては在庫切れになっている場合もあるため、箱を確保してから出品準備を始めると安心です。
なお、メルカリなどで匿名配送を希望する場合は、「らくらくメルカリ便」などに対応した送り状を使う必要があります。
そのため、このBOXを使って自分で梱包し、ヤマト営業所やコンビニから発送するのが無難です。

コスパ重視ならダンボールワンのノートPC専用梱包BOXも選択肢
「何台か出品予定がある」「コストをできるだけ抑えたい」という方には、ダンボールワンのノートPC専用梱包BOXもおすすめです。
これはノートパソコン専用の梱包資材セットで、外箱・内箱・本体固定用のフィルムが付属しており、ノートパソコンをしっかりと固定できます。
ヤマト運輸の「パソコン宅急便BOX A」と似た構造で、10枚以上なら1セット500円台から購入可能なのでコスパが良い商品です。
ただし、1セットのみの購入では3,000円以上の価格となってしまうので、購入セット数を確認しましょう。
特徴とメリット
- 1セットから注文可能(10セット以上で割引あり)
- ノートパソコン専用設計でサイズも適切
- 組み立てが簡単で、強度も十分
何台か売る予定がある人や、知人とシェアできる環境であれば、ヤマト運輸のパソコン宅急便の箱よりお得に安全な梱包ができます。
購入は、公式サイトから可能です。
梱包手順|安全に送るための4ステップ
ステップ1:プチプチで本体と付属品を包む
パソコンとACアダプターをそれぞれプチプチで包み、角が出ないように注意します。
パソコン本体は最低でも1〜2周、薄手のプチプチなら3周ほど巻くと安心です。
説明書などの薄い紙類はビニール袋にまとめてOKです。
ステップ2:箱に収めて隙間をチェック
本体は内箱のフィルム内に入れて、しっかり固定します。
付属品は一緒にフィルム内に入れてもよいですが、直接本体に接触しないよう位置に配慮しましょう。(ステップ3参照)
内箱と外箱の間に適度な余裕があるため、指示どおりに収めるだけでOKです。
- 通常の箱を使う場合
- 中で動かないよう、新聞紙や緩衝材で隙間をしっかり埋めます。
箱を軽く揺らしても動かない状態が理想です。 - 先述のとおり、上下方向(縦方向)の固定を忘れずに実施しましょう。
ステップ3:圧力が均等にかかるよう配置する
ACアダプターやマウスなどの付属品をフィルム内に一緒に入れる場合でも、ノートパソコンの上下に重ならないよう横にずらして配置します。
付属品が本体と接触する際には、「点」で圧力がかからないよう間にクッション材を挟み、圧力が分散されるよう工夫するのが安全です。
実際に、天板にエアクッションが直接当たっていたため、外箱に損傷がなかったにもかかわらず液晶が破損していたというケースもあります。
破損を防ぐには、「面」で支える構造を意識しましょう。
- 通常の箱を使う場合
- 空気の入った緩衝材(エアークッション)をプチプチで包んだノートパソコンの天板に直接当てるのも極力避けましょう。
たとえ直接触れていなくても、接地面が小さいと圧力が一点に集中し、破損の原因になります。
圧力を分散させるため、広い面で支える柔らかいクッション材を使用するのが理想です。
ステップ4:封をして軽く揺らして確認
最後に封をして、箱を軽く揺らして中で音がしなければOKです。
少しでも動くようであれば、内箱を外箱に貼り付けるなどして固定しましょう。
- 通常の箱を使う場合
- 軽く揺らして中でカタカタ音がしないか確認します。
わずかでも動くようであれば、追加で緩衝材を入れましょう。
最後に全体をもう一度見直すことで、トラブル防止につながります。
発送方法の選び方|メルカリ・ヤフオク対応
| サービス名 | 匿名配送 | サイズ上限 | コメント |
| らくらくメルカリ便 (宅急便) | 200サイズまで | メルカリでの匿名配送に対応 | |
| おてがる配送 (宅急便) | 200サイズまで | ヤフオクでの匿名配送に対応 | |
| パソコン宅急便 | 専用資材 160サイズまで | 匿名非対応の可能性あり。梱包まで依頼できるサービス |
匿名配送が必要な場合は、らくらくメルカリ便やヤフオクのおてがる配送を利用し、パソコン宅急便BOXの箱を使用したり、ダンボールワンのノートPC専用梱包BOXを併用するのがスムーズです。
実運用でたどり着いた、コストと安全性を両立する梱包の考え方
ここまで紹介してきたように、ヤマト運輸のパソコン宅急便BOXや、ダンボールワンのノートPC専用梱包BOXを使えば、初心者の方でも比較的迷わず、安全に梱包しやすくなります。
どちらも完成度の高い既製品で、「まず失敗したくない」「不安なく送りたい」という場面では、十分に頼れる選択肢です。
一方で、実際にノートパソコンの発送回数が増えてくると、次第に意識するようになったのが、「安全性を保ったまま、どう運用していくか」という視点でした。
発送を繰り返す中で感じるようになったのは、安全性は梱包資材の種類そのものよりも、梱包した状態を、毎回どれだけ同じ条件で再現できているかで差が出る、という点です。
とくに重要だと感じているのが、次の2点です。
- 発送中に、ノートパソコン本体が上下方向に動かない状態を保てているか
- 圧力が特定の一点に集中しない状態を、安定して維持できているか
現在は、この考え方を軸に、外箱・緩衝用ダンボール・プチプチ・ハンドラップ(ストレッチフィルム)という資材構成を基本として運用しています。
ノートパソコン本体は、プチプチで包んだ後、緩衝用として用意したダンボールを併用することで位置を安定させ、その状態をハンドラップで保持する、という流れです。
この方法の特徴は、発送ごとにエアクッションなどの緩衝材を追加したり、量を調整したりする必要がほとんどなく、毎回ほぼ同じ資材構成と手順で梱包できる点にあります。
結果として、
- 使用する資材が増えにくい
- 梱包手順がブレにくい
- 発送回数が増えても、梱包品質を一定に保ちやすい
という点が、実運用では大きなメリットだと感じています。

ここでは、箱を閉じる直前の状態を写した写真を1枚掲載しています。
余分な緩衝材を詰め込まず、梱包後の全体的なまとまりを確認してもらう目的で掲載しています。
使用している外箱について(既製品)
現在使用している外箱は、アースダンボールの「1895【宅配100サイズ】商品発送用ダンボール箱(487×342×139mm)」です。
宅配100サイズで一般的に流通しているダンボール箱で、ノートパソコンの発送用途としても使われることの多い、特別な加工や専用品ではない既製品です。
本記事で紹介している梱包方法は、この箱をベースに使用することを前提に考えていますが、外箱そのものが特殊というわけではありません。
なお、本記事では緩衝用ダンボールの具体的な形状や寸法までは触れていません。
実際に型代をかけて設計した内容であり、前提条件が異なる環境でそのままマネされると、かえって破損リスクが高まる可能性があるためです。
ただし、
- 発送頻度が高い方
- 実運用を前提に検討されている方
に限り、当サイトのお問い合わせフォームからご連絡いただければ、用途や状況を伺ったうえで、注文方法や注意点について個別にお伝えしています。
※すべてのお問い合わせに対して、構造や注文方法を個別にご案内できるわけではありません。
※発送用途や運用規模などを確認したうえで、本当に必要だと判断した場合のみの対応となります。
既製の専用BOXで十分な方は、無理に切り替える必要はありません。
一方で、発送コストを抑えつつ、梱包トラブルを減らしたいと考えている方にとっては、こうした考え方や選択肢もある、という位置づけで受け取っていただければと思います。
まとめ|梱包の工夫でトラブルは防げる
ノートパソコンの発送は、「梱包の仕方次第」で安全性が大きく変わります。
- 初心者は「パソコン宅急便BOX A」が安心
- 複数台を送るなら「ダンボールワンの専用BOX」がお得
- 継続発送では、コストと固定力のバランスを意識する
- アダプターの配置や圧力分散を怠らない
- 梱包資材は出品前に確保しておくと安心
なお、パソコン宅急便の箱やダンボールワンの専用BOXを含め、いずれも既製品であることに変わりはありません。
重要なのは箱そのものではなく、ノートパソコンが箱の中でどのように固定されているか、という点です。
安さだけで選ばず、「安全に届くかどうか」を基準に、
ご自身の発送頻度や状況に合った梱包方法を選んでください。
たった数百円の違いでも、トラブルや返品を避けられるのであれば、十分に意味のある投資だと感じています。