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SSD換装できる?初心者でも自力で診断できる5ステップ完全ガイド

SSD換装可能かチェックしよう
  • パソコンが遅くてイライラする…
  • 起動やアプリの読み込みがとにかく重い…
  • SSDに換装すれば速くなると聞いたけど、自分でできるか不安
  • そもそも、自分のパソコンってSSDに対応してるの?

たしかに、ストレージをHDDからSSDに交換すれば動作は大きく改善します。

ただし、最初に確認すべきなのは「そもそも換装できる構造かどうか」です。

ストレージが直付けされている、あるいは分解が難しい機種では、換装作業そのものができない場合もあります

さらに、対応するSSDの規格(SATAかNVMeか)を間違えると、うまく認識されずトラブルの原因になります。

取り付けたあとも、OSの移行やクローン作成といった準備が必要です。

この記事では、初心者でも自力で「自分のPCがSSD換装に対応しているか」を見極められるよう、5つの診断ステップをわかりやすく解説します。

M.2スロットの種類や交換の可否など、迷いやすい点も含めて紹介しているので、準備の一助になれば幸いです。

ステップ1:ストレージにアクセスできる構造か?

SSD換装の第一歩は、ストレージ(HDDまたはSSD)に物理的にアクセスできるかどうかを確認することです。

チェックポイント

  • 裏面にネジやカバーがあり、ユーザー自身で開けられる構造か?
  • 機種名+「分解」「換装」などで検索し、分解手順や動画が見つかるか?

裏面にカバーの区切りがなく、ネジも見当たらないタイプは、分解が難しい構造である可能性があります。

分解しやすいかどうかは、以下の記事も参考にしてください。

HDD・SSDを破壊する手順と安全な処分法

HDDへのアクセスが容易な例

ステップ2:取り外し・交換可能なスロットがあるか?

SSD換装を行うには、現在のストレージが物理的に取り外せる構造であることが前提です。

どれだけ内部にアクセスできても、ストレージが基板に直付けされている機種では交換はできません。

チェックポイント

  • 現在のHDDやSSDが、ネジやコネクタで固定されていて取り外し可能か?
  • ストレージがマザーボードにハンダ付け(オンボード)されていないか?

一部のパソコンでは、ストレージが基板に直接ハンダ付け(オンボード)されていることがあります。

この場合、物理的に取り外し・交換ができないため、SSD換装は不可能です。

交換できないストレージの代表例

  • eMMC(低価格ノートPC、Chromebookなどに搭載)
  • オンボードSSD(MacBookの一部機種、Surface Laptop、薄型Ultrabookなど)

スペック表や製品情報に「eMMC」「オンボードSSD」と記載されている場合は、交換できない前提で設計されていると考えましょう。

確認方法(交換可否の見極め)

  • メーカー公式サイトの仕様書を確認
    型番で検索し、「ストレージ:取り外し可能」や「M.2スロットの有無」「2.5インチベイの有無」などを確認します。
  • 型番+「分解」「換装」などで検索
    分解手順や換装事例が紹介されたブログ・掲示板・動画を参考に、実際に取り外せる構造か確認できます。

なお、ストレージが取り外せる場合でも、M.2スロットや2.5インチベイに空きスロットがあるなら、換装ではなく増設という選択肢も可能です。

この場合は、既存のストレージを残したままSSDを追加することもできます。

ステップ3:現在のストレージの種類と接続方式を確認する

ステップ1で物理的にアクセスできることが確認できたら、次はストレージの種類を調べましょう。

  • HDDであれば、通常はSATA接続です。
  • SSDの接続方式は、通常「SATA接続」か「M.2接続」のいずれかです。
    現在販売されている一般的なノートパソコンやデスクトップPCのほとんどがこのどちらかに対応しています。

このステップでは、まず「HDDかSSDか」を確認します。

接続方式やスロットの規格の詳細は、次のステップ4で扱います。

なお、ごく一部の古いノートPCでは「mSATA」、
高性能なデスクトップや業務用機では「U.2」や「AIC型(PCIeスロット直挿し)」などの特殊な接続方式が使われていることもあります。

これらは一般的なパソコンではほとんど使われておらず、本記事では詳細には触れていません。

確認方法(接続方式のヒントも得られる)

タスクマネージャーで確認(初心者向け)
接続方式は表示されませんが、種類(HDD/SSD)は確認できます。
  1. タスクバーを右クリック →「タスクマネージャー」を開く
  2. 「パフォーマンス」メニューをクリック
  3. 左の「ディスク(ディスク0など)」を選択
  4. 画面右下の種類に「HDD」または「SSD」と表示される
タスクマネージャーでのストレージ種類確認
PowerShellで確認(やや上級者向け)
「MediaType」に「HDD」または「SSD」、「BusType」に「SATA」や「NVMe」が表示され、種類と接続方式の両方が分かります。
  • スタートボタンを右クリック →「Windows PowerShell」または「ターミナル」を起動(管理者でなくてもOK)
  • 以下のコマンドを実行
    Get-PhysicalDisk | Select MediaType, BusType
PowerShell(ターミナル)でのストレージ種類確認
CrystalDiskInfoで確認(詳細を視覚的に)
フリーソフトのCrystalDiskInfoを使用すると、ストレージの接続方式や健康状態、NVMe対応かどうかもひと目で確認できます。
たとえば下記のように「インターフェース:NVM Express」「転送モード:PCIe 3.0 x4」と表示されていれば、M.2スロットでNVMe接続されていることが分かります。
CrystalDiskinfoでのストレージ種類確認
項目内容
インターフェイス接続方式(SATA、NVMeなど)Serial ATA / NVM Express
健康状態SSDの寿命の目安正常(100%)
回転速度HDDのみ表示(SSDはなし)5400rpm / 7200rpm

ステップ4:M.2スロットの種類を確認する(交換したい人は特に重要)

速度アップを目的とする人が多い一方で、容量不足や書き込み寿命の問題を理由にSSDを交換したいというケースもよく見られます。

ただし、SSDが搭載されているパソコンでも、接続方式によって交換できるSSDの種類が異なります。

とくにM.2接続の場合は、見た目が似ていても信号方式(SATAかNVMe)や端子の形が違うと、正しく動作しないため注意が必要です。

以下では、M.2スロットの種類を正しく見極めるためのポイントをわかりやすく解説します。

よくある交換の理由

  • 容量が128GBや256GBで足りない
  • TBW(書き込み寿命)の上限が近づいている(CrystalDiskInfoで健康度が80%以下)
  • 起動が遅くなり、性能劣化が疑われる

M.2スロットの種類の確認方法

M.2スロットには「SATAタイプ」と「NVMeタイプ(PCIe接続)」があり、規格が異なるとSSDが認識されず、動作しません。

端子の形状(キー)と信号方式の両方を確認する必要があります。

外見での目安(ある程度判断可能)

M-KeyやB-Key、B+M-Keyの形状
SSDの端子形状対応スロット接続方式備考
切り欠きが2つ(B+M Key)B Key、M Key両対応SATA(またはNVMe)多くのスロットに挿せるが信号非対応に注意
切り欠きが片側(M Key)M KeyのみNVMe(PCIe)高速なNVMe SSDに多い

「挿さる=使える」ではありません。

M.2スロットが「PCIe専用」の場合、SATA SSDを挿しても認識されません。

形状(B/M Key)だけでなく、対応する信号方式(SATAかNVMe)も必ず確認しましょう。

最も確実な確認方法:マザーボード仕様を見る

機種名+「spec」や「仕様書」で検索し、M.2スロットの記載を探しましょう。

  • 「M.2 SATA対応」→ SATA SSDを使用可
  • 「M.2 PCIe Gen3×4」または「NVMe」→ NVMe SSDを使用
  • 「B Key / M Key / B+M Key」→ 形状(切り欠き)の互換性

ステップ5:OSの移行や起動準備ができているか?

換装後にパソコンを元通りに使うには、クローンソフトでシステムを新SSDにコピーするか、OSをクリーンインストールする必要があります。

✅ 用意しておくべきもの

  • USB-SATA変換アダプター or M.2用外付けケース(クローン用)
  • Acronis True ImageやLazesoft Disk Image & Cloneなどのクローンソフト
  • BIOS(UEFI)で起動ディスク順を変更できる知識

トラブル防止のため、旧ストレージはしばらく保管しておくと安心です。

SSD換装「できる/できない」診断チャート

チェック項目解説
ストレージにアクセスできる構造か分解・開封が可能か
換装できる・空きスロットがある物理的に差し替えが可能か
接続方式が判明しているSATA/M.2など明確
M.2スロットの種類が特定できた規格ミスマッチを防げるか
OSの移行手段があるクローン or 再インストール準備

最初の2つ(構造とスロット)は必須条件です。

これらのどちらかがNGなら、換装は不可能です。

その他の項目が多くできるほど、初心者でもスムーズに換装できる可能性が高くなります。

まとめ:見た目や雰囲気ではなく、仕様確認が成功のカギ

SSD換装は、「接続方式」「スロットの仕様」「物理構造」などの条件をひとつずつ確認すれば、初心者でも十分に実現可能です。

とくにM.2スロットは、形が合っていても規格(SATA/NVMe)が合わないと動作しないため、もっとも注意が必要なポイントです。

SSD換装ができるかどうかを見極める5つの確認ステップ

  • ストレージにアクセスできる構造か(分解・裏蓋の有無)
  • 現在のストレージが取り外し可能か(オンボードでないか)
  • ストレージの種類(HDD/SSD)と接続方式(SATA/NVMe)
  • M.2スロットの種類と対応規格(SATA/NVMe、B/Mキー)
  • OSの移行手段(クローンまたはクリーンインストール)の準備があるか

まずは型番と仕様書の確認から始めて、自分のパソコンがどの構成になっているかを把握しましょう。

事前にしっかり確認すれば、SSD換装でのトラブルは大幅に減らせます。

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