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CPU選びの際に必見!末尾アルファベット(サフィックス)の意味とは?

2023年9月21日

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はじめに

この記事では、インテルとAMD、両方のプロセッサーに関する重要な情報を解説します。特に、CPUの末尾に表示されるアルファベット(サフィックス)が何を意味するのか、そしてそれがどのようにパフォーマンスや用途に影響するのかをご紹介します。

末尾のアルファベット以外にも、クロック数やコア、スレッド、ターボクロックなども解説していますので、ご覧ください。

CPUの種類と型番:詳解

CPUはコンピュータの心臓部とも言える部分です。種類や型番、それに世代が違うと性能や使い勝手が大きく変わります。Intel Core i7、AMD Ryzen 7など、型番は性能に大きく関わっています。また、新しい世代のCPUは高性能であることが多いです。

インテル製CPUの世代

「Core i7-8650U」を例に世代を説明すると、8650Uという部分が8000番台なので、第8世代になるということです。9000番台なら第9世代などとなります。

AMD製CPUの世代

Ryzenの「Zen」アーキテクチャ(CPUの機能や性能などを決定する基本的な仕組み)の世代を型番からある程度は判断できます。ここで、最初の数字が「Zen」の世代を示しています。5000番台からは、Zenがデスクトップ用とノート用で統一されました。それ以前は、デスクトップ用2000番台、ノート用3000番台がZen+に該当するなどと統一されていませんので、ご注意ください。

  • Ryzen 1000/2000 シリーズ: Zen
  • Ryzen 2000/3000 シリーズ: Zen+
  • Ryzen 3000/4000 シリーズ: Zen 2
  • Ryzen 5000 シリーズ: Zen 3
  • Ryzen 6000 シリーズ: Zen 3+
  • Ryzen 7000 シリーズ: Zen 4

別記事の「CPUの優先順位を決める」という項目で詳しく説明していますので、そちらをご覧ください。

参考中古パソコン購入ガイド: 初心者にも分かるおすすめ機種の選び方

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インテルとAMD

インテルとAMDは主要なCPUメーカーです。どちらも優れた特徴があります。

  • インテル:一般的には高いクロック周波数と優れた単一スレッド性能を持つ。高性能でも消費電力が低いのが特徴。
  • AMD:コストパフォーマンスに優れる。コア数が多く、マルチスレッド処理に強いのが特徴。

インテルの主なCPUサフィックスとその意味

  • K: オーバークロック可能
  • U: 低電力・超薄型ノート用
  • H: 高性能ノート用
  • G: 内蔵GPUあり

インテル独自のテクノロジー: ターボブースト

インテルのCPUには「ターボブースト」という技術があります。これは、必要なときに自動的にクロック速度を上げる機能です。

AMDの主なCPUサフィックスとその意味

  • X: 高性能
  • G: 内蔵GPUあり
  • U: 低電力・超薄型ノート用

AMD独自のテクノロジー: Precision Boost

AMDのRyzenプロセッサには「Precision Boost」というテクノロジーがあります。これもインテルのターボブーストと同様、必要に応じてクロック速度を自動調整する機能です。

インテルとAMDの比較表

特徴インテルAMD
オーバークロックKX
内蔵GPUGG
低電力UU

CPUクロック数、コア、スレッド数:キーワードで理解する

CPUの性能を評価するための重要な指標が、クロック数、コア数、そしてスレッド数です。

「Core i7-8650U」というCPUを例に挙げますので、見ていきましょう。
インテル(Intel)のサイトCore i7-8650U

基本クロック(ベースクロック):1.90GHz

最大クロック(ターボクロック):4.20GHz

コア数:4

スレッド数:8

基本クロック(ベースクロック)と最大クロック(ターボクロック)が記載されている場合が多いです。これらの数値が高い方が、より処理能力が高いと言えます。
基本クロックは通常時の動作速度を表します。
負荷がかかるような処理をおこなう際に、最大クロックまで上がるような仕組みになっています。
そのため、ゲームなどの重たい処理をおこなう予定なら、最大クロック数が高いモノを選ぶようにしましょう。

では、コア数とは何でしょう?

これはCPUに内蔵しているプロセッサー(命令を処理する装置)の数になります。かつてのCPUは、1つのプロセッサーしかなかったので、順番に命令を出して処理をするしかありませんでした。しかし、近年のCPUは複数のプロセッサーを内蔵しているので、同時に命令を出して処理できるようになりました。

コア数が多ければ多いほど性能が高く、同時に処理できる能力が高くなります。

スレッド数とは、コア数に似ていますが、同時処理が可能な命令の最大数を表しています。

通常、プロセッサー(コア)は1つの命令を処理します。しかし、処理に余裕がある場合は、コア1つで2つの命令を処理できるCPUがあります。

今回の例の「Core i7-8650U」だと、コア数「4」でスレッド数「8」なので、同時に処理できる命令数は4です。しかし、余裕があれば最大8の命令まで同時に処理できることになります。

ターボクロックとオーバークロック:一般的な誤解を解明

ターボクロックとオーバークロックは頻繁に聞く用語ですが、多くの人が誤解しています。

ターボブースト(Turbo Boost)という自動的に設定されたクロック数まで上がり動作するインテル製CPUの機能で、一時的に高速化した際のクロック数をターボクロックといいます。

一方、オーバークロックはユーザーが意図的に速度を上げるものです。正しくおこなえば性能向上が期待できますが、CPUが過熱したり寿命が短くなる可能性があります。

各メーカーの末尾アルファベット(suffix:サフィックス)

各メーカーがCPUの型番の末尾につけるアルファベット(サフィックス)にはそれぞれ意味があります。これらのサフィックスからも、CPUの特性を理解する手がかりになります。

デスクトップ向けCPUの一覧表:Intel CPUの末尾アルファベットとその特徴

末尾概要オーバークロック内蔵グラフィック備考
無印Core i7 11700通常版CPU×
KCore i9 11900Kオーバークロック可能で、高い処理性能を持つ
FCore i9 11900Fグラフィックボード必須××
KFCore i9 11900KFオーバークロック可能だが、グラフィックボード必須
KとFを統合したモデル
×
KSCore i9 10900KSKよりクロック周波数が高い
X
XE
Core i9 10900X
Core i9 10980XE
超高性能だが高価
Extreme Editionの最上級モデル
×
TCore i9 11900T超省電力モデル
Sよりも省電力
×
SCore i7 4770S省電力モデル×第4世代に存在
CCore i7-5775Cグラフィックス性能強化モデル×一部の世代で存在
RCore i7-4770Rグラフィックス性能強化モデル×第4世代に存在

ノート・モバイル向けCPUの一覧表:Intel CPUの末尾アルファベットとその特徴

末尾概要オーバークロック内蔵グラフィック備考
HCore i9-11900Hハイエンド向けCPU×
HKCore i9-11900HKHとKを統合したCPU
HXCore i9-11900HXHよりも高性能
HFCore i7-11900HF内蔵GPU非搭載のCPU××
PCore i7-11700P一般ユーザー向けCPU×
UCore i5-10210U超省電力CPU、軽量・コンパクトなモバイルPC向け×
G1/G4/G7Core i7-11900G7GPU内蔵CPU×G1<G4<G7の性能順
YCore i7-10510Y超低消費電力CPU、冷却ファン不要×
GCore i7-8809GAMD GPUを組み込んだCPU(※第8世代まで)×AMD GPU搭載
HQCore i7-7920HQ※第7世代まで×主に過去のモデル
MCore i7 4600M※第4世代まで、発熱や消費電量が抑えられている×主に過去のモデル
MQCore i7-4910MQ※第4世代まで×主に過去のモデル
BCore i7-8700B第8世代から、ソケット形状がノートパソコン向け×

デスクトップ向けCPUの一覧表:AMD CPUの末尾アルファベットとその特徴

末尾概要オーバークロック内蔵グラフィック備考
無印Ryzen 9 5900通常版××通常版CPU
XRyzen 9 7950XRyzenシリーズの上位モデル×ハイパフォーマンス、XFRに対応
XTRyzen 9 3900XTXの高性能版×Xよりも100Hz高いブーストクロック
GRyzen 7 5700GCPU内蔵GPU搭載モデル×小型PC向け(TDP 65W)
※TDPとは、発熱量やおおまかな消費電力の指標
GERyzen 7 5700GECPU内蔵GPU搭載モデル×"超"小型PC向け(TDP 35W)
WXRyzen Threadripper PRO 3995WXRyzen Threadripperシリーズ
最上位モデル
××プロ向けCPU
PRORyzen 9 PRO 5945ビジネス(企業向け)向けCPU××セキュリティー、品質、信頼性、耐用年数の向上

※WXとPROは、サフィックスとは言わないかもしれませんが、参考までに載せています。

ノート・モバイル向けCPUの一覧表:AMD CPUの末尾アルファベットとその特徴

末尾概要オーバークロック内蔵グラフィック備考
HRyzen 7 6800H高性能モデル××ゲームやクリエイティブ向け
HXRyzen 9 6900HXオーバークロック可能で、高性能モデル×ゲームやクリエイティブ向け
HSRyzen 9 6900HS省電力+高性能モデル××-
URyzen 7 6800U超省電力モデル××薄型ノートPC向け
CRyzen 7 5825C省電力+高処理能力××ビジネス・Chromebook向け

まとめ

CPUの末尾アルファベット(サフィックス)は、そのCPUがどのような特性や用途に適しているのかを示しています。IntelとAMD、両メーカーともに独自のサフィックスを使用しているので、購入前にこれらの意味をしっかりと理解することが重要です。

ポイント1: IntelとAMDのサフィックスの違いを理解しよう

Intelでは「K」がオーバークロック可能、「F」が内蔵グラフィック非搭載といった具体的な特性を表します。AMDでは「X」が高性能、「PRO」がビジネス向けなど、用途に応じて選ぶべきサフィックスがあります。

ポイント2: デスクトップとモバイルで異なるサフィックスがある

デスクトップ向けとモバイル向けでは、それぞれ異なるサフィックスが存在します。特にモバイル向けには、省電力や薄型ノートPC向けといった特性を持つCPUが多いため、注意が必要です。

ポイント3: サフィックスで性能は一概には決まらない

末尾のアルファベットは一つの指標ですが、全ての性能を網羅しているわけではありません。ベンチマークテストなどの詳細なデータも参考にしましょう。

このように、CPUの末尾アルファベット(サフィックス)を理解することで、より適切なCPU選びが可能です。購入前には、各メーカーの公式サイトや専門のレビューサイトを参考に、最適なCPUを見つけましょう。

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